ペットフードの「機能性表示食品」は「大切な家族」としての思いからできている

ペットは人間と同じように「家族の一員である」と認識している方も多いのではないでしょうか。私たちの癒しの存在ですよね。そして食事についてですが、皆さんはペットにも「機能性表示食品」があるのをご存じですか?今一緒に過ごしているペットも、だんだんと年を重ねていくと健康について意識されると思います。

今回は、ペットの「機能性表示食品」につてお話していきます。

私たちが摂取する機能性表示食品とは?

私たち人間には普通の食事だけではなく、健康な状態を保つのに役立つ食品というものがあります。それが「機能性表示食品」というもので、そういった表示がある食品は、科学的根拠に基づいて開発されたものです。その「科学的根拠がある」と判断するためには調査が行われたり、安全を確かめるための試験の実施をしたり、人の状態や摂取方法の状況などを明らかにしていきます。

私たちが摂取する機能性表示食品に記載される効果には、「脂肪の吸収をおだやかにします」「おなかの調子を整えます」といった表示があります。商品の例としては、乳酸菌の入ったドリンク、ヨーグルト、お茶、サプリメントなど、種類が豊富です。

人によっては健康状態や、普段から気を付けていること、生活習慣、摂りやすさなど、その人自身に合わせた商品を選ぶことができます。そして、機能性表示食品には注意すべき点があります。こういった食品は「治療のためが目的ではなく、健康な状態を保つためや、より健康になるために役立つ」といった役割です。

中にはそれを誤解する方もいて、「たくさん摂取すればより健康になれる」と考えてしまい、必要以上に摂り過ぎてしまう方がいるのも事実です。場合によっては健康を害する可能性もあるため、しっかり注意事項をよんでから摂り入れる必要があります。

ペット用の機能性表示食品とは?

人間と同じようにペットにも健康を保つために、その子の状態に応じて考えられたフードがあります。フードの種類は様々で、ドライ、ソフトドライ、缶詰、パウチなど、硬い固形のタイプだけではなく、高齢のペットが食べやすいように水分を多く含んだタイプもあります。

期待される効果も様々で、皮膚・体重管理・消化器系・低カロリーのものなど、ペットの健康状態に合ったフードが選べます。

ペットにも機能性表示食品がある理由

昔に比べると、ペットが家族のようにより大切に扱われるようになったからです。同じ家族として接する人も増えていますよね。そのため、ペットに対しても人間と同じように食事についても健康を意識するようになりました。

そして、ペットフードの原材料にも注目されるようになり、元気で過ごせるように健康面を意識した機能性のあるフードが開発されるようになりました。愛犬家や愛猫家の方は特にペットの食事に気を使う傾向にあるため、そういった理由からもフードが見直されていったともいえます。

期待される効果はどのようなものがあるのか

ペットにはいつまでも元気でいてほしいですよね。しかしペットも年を重ねていきますし、段々と健康面が心配になっていきます。その中でも注目されるのは、「免疫」「消化器」などの効果です。免疫でいうと感染症や皮膚炎、歯周病などです。

高齢になると免疫が落ちてくるため、様々な病気のリスクがあります。猫の場合は、加齢による免疫低下だけでなく、外に出ていた時期にケンカなどで受けた傷から感染症になることも多いです。そのため、若い頃から免疫疾患を抱えている場合もあり、若い頃は症状が軽くても、年を取るにつれて症状が顕著になってくる子もいます。

犬の場合は免疫・消化器の疾患だけでなく、年を取ると体重が増える傾向にあります。普段から体重の大きな変化に気を付け、適度に運動をさせてあげることも大切です。また、消化器は便秘・胃腸・大腸の疾患のリスクが考えられます。

消化器疾患の場合は、高齢になるほどかかりやすいため注意が必要になってきます。その場合体調不良という症状になって現れ、具体的な症状としては、便秘や下痢、嘔吐、元気がなくなる、お腹がふくれる、脱力、などが挙げられます。

ペットの種類によってかかりやすい疾患もありますし、健康状態によっても飼い主が考えるべき分野が変わってきます。

ペットの健康のために誤解してほしくないこと

ペットの機能性食品も病気を治療するためのものではなく、あくまでも「健康の維持のためである」というのは人間と同じ考えです。そのため、ペットの年齢や状態に合わせて適切なものを選ぶことが大切です。

フードの選び方・切り替え方について

では、「ペットに合ったフードをどう選ぶのか」というと、まずはご自身のペットが食べやすいものはどれなのかを見ていきます。フードには水分量で分類すると、カリカリとした固形のタイプで、一番水分量の少ない「ドライタイプ」、半生で水分量は中間の「セミモイストタイプ・ソフトドライタイプ」、缶詰やパウチなど水分量の一番多い「ウェットタイプ」があります。

その中で自分の子に合ったものを選んでいきます。そして、必要とするエネルギー量は年齢によって違ってくるので、成長段階に合わせたフード選びも大切です。ペットの成長段階は5つに分かれています。①「哺乳期」は、生まれてから30日くらいです。

母乳で育てていきますが、ない・飲めない場合は、市販の犬用・猫用のミルクを与えます。②「離乳期」は、20~60日くらいです。離乳期用やペースト状にしたものを与えます。③「成長期」は、生後50日~小型犬では10か月ほど、中型犬では1年ほど、大型犬では1年半ほど、超大型犬では2年ほど、猫は生後50日~1年程度です。

成長期用の犬用・猫用を与えます。④「維持期」は、1~7才くらいです。成犬用・成猫用のフードを与えます。⑤「高齢期」は、7~8才以降(大型犬は5才以降)くらいです。高齢用やシニア用、「〇才から」と表示のあるものを選んで与えます。

また、成長段階でフードを切り替える際は、いきなり新しいフードに変えてしまうと、ストレスになったり、成分の違いで下痢になったりする場合もあります。また、警戒心の強い子もいるため、1~2週間ほどかけて、様子を見ながら少しずつ新しいフードの割合を増やしていく必要があります。

大切なペットが健康に過ごすために機能性表示食品がある

ペットが長い間元気で健康に過ごすためにも、食事に対しても気を配ることも大切です。そして、機能性フードを与える際に注意したいのは、「病気を治療することが目的ではなく、あくまでも健康維持のためである」ということです。

ペットの状態に合わせたフードを選ぶことが大切です。ペットの機能性表示食品の背景を見てみると、「家族のように大切にしたい」という優しさから開発されたものだと言えますね。